フレッテッドバイオリン製作家カシュの日常

フレット付きバイオリンと音楽雑貨の工房「Ravdaboazu」の店主

2017年12月

前回の指板加工からの続き。
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こんな感じで指板表面もコーニッシュを付けてサンディングしました。
フレットを付ける場合コーニッシュを付けるのは厳密にいえばあまりよろしくないってのが持論ですが、流石に全くないのもどうのかってものあって。
最終的には「控えめに付ける」ということで今は落ち着いてます。

次にネックの仕込み角がおかしかったので修正しようと思ったのですが、ここで問題発覚。
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スクロール側から見て左側の指板接着面が高くなってました。
逆側に傾いてたならまだ良かったんだけどなぁ。

これが半加工品の難しい部分ですね。
半加工品は外見はともかく、寸法はきっちり出てるけど色々ずれてることが多いですね。
センターもズレズレだったし。

萎えたので気分転換に自分で作ったバイオリンの塗装をスクレーパーでカリカリ剥がす。
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オリジナルのニスを塗りたいので剥がしちゃいます。
こいつは何度目のニスの塗り替えだろうか。
完全に実験台・練習台となってます。

最近お店のほう、いろいろ考えたり調べたり資金不足だったりで停滞気味です。
単純にだらけてるってのは内緒だぞ。
やりたいことは色々あるのですが、大人の制約でなかなか・・・ね。
意外と商売って権利とか法とか慣習とかでぎっちぎちなんだなぁと思う反面、やりたい放題な人もかなり多いなと感じる今日この頃。
そんな感じで世の中バランスよくできてるんですかね。

今日は気が向いたので、自分のバイオリン5弦計画に着手。
前はネックをボディからはずしたので、次は以前購入した5弦ネックの指板を外します。
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通常ならニカワでくっつけてあるのですがアロンでべた付けしてあるのでどうしようかと...
アロンの溶剤も試したのですがイマイチだったので、ヘラをコンコンと打ち込んでアロンを割る作戦にすることに。
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下手したら木材が割れてしまうと思いますが順調にハガレていきます。
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綺麗に剥がれてくれました。

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こびりついてるアロンをはがして、接着面の平面を出し直し。

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指板側面のコーニッシュ(凹み)が無かったので削りました。
側面のコーニッシュはハイポジションへの移行をスムーズにするためのものです。

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厚みが結構あったので表面をスタンレーで削ります。
短いですが今日はここで終了。
5弦の指板は通常のバイオリンよりも3mmほど幅広みたいですね。

以前キットを使ってパックラフトを作ったわけですが、日本人の製作レポート等が見当たらなかったので、ここでコツとか書いていこうかと思います。
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ただ僕が購入した時より今は新商品やキットのバージョンなどがアップされてるので、今回書くことは情報的に古いのでご注意を。

まず、購入は「DIY Packraft」から。
他にも同じようにパックラフト製作キットを販売しているところもあるようです。
購入に関しては自分で輸入する形になりますが、英語ってだけで普通にAmazonで買うのと同じなので特に難しくありません。
分からなければ翻訳サイトに文章ぶち込めばおっけー。
製作に関してもHPにHow-Toや動画での解説もあるのでわかりやすい。

次にパックラフト製作キットを購入する上で必要なもの。
オススメ購入リストをあげときます。

【DIY Packraftで買うもの】
・パックラフトキット本体
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僕が購入したのはV2キットのもので廃盤になったぽいので、現在はV3キットかウルトラライトを選ぶことになるかと思います。
V3は付属品がいろいろあるみたいなのでそれを踏まえてこのリストを参考にしてください。

・インフレーションバッグキット
僕がキットを買ったあとに追加された商品なのでどんなものかはわからんですが、かさばらないし必需品と言ってもいいかもしれない。
ちなみに僕はインフレーションバッグじゃなくて、100均のダブルアクションポンプにビニールパイプくっつけて簡易ポンプを作りました。
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・気密ジッパー
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ふくらませる前に開けてパックラフト内に荷物入れられる。
のちに解説するけどキットを作るなら絶対にあったほうがいいと思う。
あと最初にジッパーを開けるときめちゃくちゃ力が要ります。
不良品か?思うレベルで固いので破壊しないように気を付けながら全力で引っ張って開けてください。
開いたら付属してるシリコンをジッパーに塗るように。

・シート
シートがないとパドルがめっちゃ漕ぎずらいので必需品。
これも僕が購入あとに追加されたやつ。だからどんなもんかはわかりません

・接着剤×2
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アクアシールとシームグリップの違いはよくわからないですが、たぶん同じようなものかと。
バルブ・気密ジップ・継ぎ目の追いシーム・その他で大体2本くらい消費するかな。
3本あったほうがいいもしれないけど。

【DIY Pakraft以外で買うもの】

・温度調整できるはんだごて
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ヒートシーリングに必要。
DIYPackraftで推薦されてるクローバーのアイロンは一応日本アマゾンで購入できるけど高いので、アマゾンで売ってる付属品がたくさんついてて温度調整できる安いハンダごてを購入。
これを改造してアイロンにする。

・銅板
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ホームセンターで売ってるやつ。
これでアイロンを作る。

実際に作る前に、あたり前のようで意外と気づかない生地の特性に関して。
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パックラフトの生地は「ナイロン66」と「TPU」でできている。
ナイロン66はとてもダメージに強いのでパックラフトに採用されてるのだろう。
厚めの生地を選べば安心。と思いがちだけど、重要なのはナイロンや厚さではない。
気密を保つのはTPUであり、ナイロン生地は空気を通す。
TPUに穴が開けば、ナイロン面が無傷でも空気は漏れることになる。
ナイロンはあくまで0.5mmもないTPUの保持をしているだけで、重要なのはTPU面であることは頭にいれておくこと。
製作中でも使用中でもTPU面に傷をつけないようにすることが重要。
特に遊ぶときはフロアはいいけど、側面はTPU丸出しなので注意。

【シーリングアイロンの作成】
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HPでは銅パイプをつけて作っていたけど実用には向かない気がする。
ので銅板を使ってこんな形で製作した。
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幅はストリップに合わせて2cmくらいにするといい。
形状によって温度設定は変わると思うのでヒートシールの練習の時にいい具合の温度を探そう。

ここからは実際の行程に合わせたコツや注意などを書いていきます。
V2キットのHow-Toに合わせて書いていくのでHPのHow-Toと照らし合わせて参考にしてください。

V3に関しては製作の方法は購入者しか見れないようなのでこれから書くことが実際に参考になるかはわかりません。
参考になりそうなとこだけチェックしてみてください。

(0.5)ヒートシールの練習
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練習用に生地のサンプルを買ったけど、ストリップ用等のハギレが多めに入ってるのでそれで充分だった。
練習にはそんなに生地を必要としないので消費しすぎることはない。
生地が濡れたようになるとちゃんと熱をくわえられてる証拠。
ただ黒の生地と合わせるとそれがわからないので、生地のナイロン面がちょっとテカる位を目安にした。
あとTPUの溶けるニオイも目安になる。
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また製作をするうえで両面からのヒートシールをするようにと言われるけど、しっかり熱を加えてアイロンを離したあともある程度熱がとれるまで厚紙などでしっかり抑えておけば、裏から再度やる必要はないように感じる。
実際に後半は重要個所以外は片面からしかヒートシールしなかったけど特に問題なかった。
改めて熱を加えるとせっかく付いたのにまた溶かしてくっつけることになって、余計なハガレができる可能性もある。
時間もかかるので重要箇所だけでいいのかもしれない。
下敷きはベニアかMDFにクッキングペーパーを巻いたものがベスト。

①チューブピースをフロアに接着する。
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やり直しは出来ないのでつける位置は間違えないこと。
まだ簡単で単純な作業なので、ここの段階でヒートシールの実践的なコツを身につけるといい。
ヒートシールで特に気を付けるのはアイロンで接着するとこ以外のTPU面を溶かさないこと。
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こうなっていると半々の確率で空気が漏れることになる。

②チューブピースの結合
ストリップの幅が狭いので注意。
生地は少し伸びるので生地の端が綺麗に揃うようにすること。
長さにばらつきが出るとフロアにつけるとき面倒くさいことになる(経験談)
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チューブピースの結合はカーブ部が難しい。
HPでは丸いボウルなどの冶具を使ってるけど逆にやりづらい。
接着不良も起こしやすいと思われるので、冶具は使わずにうまいこと生地をしわ寄せたり撓ませたりして少しづつ接着するといい。
コツがいるけど。

③結合したチューブをフロアに接着する
接着の仕方としては上にも通ずるけど、接着作業しやすいように生地をしわ寄せたりするといい。
ストリップとフロアがつくところは空気漏れが発生しやすいのでちゃんとやるように。

④ダブルフロアまたは補強
ダブルフロアをつけるまえにストリップとフロア部分を接着剤塗るなりで空気漏れの予防処理をここでちゃんとやったほうがいい。
フロアは家庭用アイロンでつける。
ずれたり接着不良で空気が入る余地があると後々トラブルがあったときに面倒なのでちゃんとつけるように。
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これがトラブルの一例。
ストリップとフロアの継ぎ目の空気漏れから、ダブルフロアの接着不良で出来た空間に空気入ってしまった。
万が一こうなってもちゃんと直せますのでご安心を。

⑤バルブのとりつけ(あとジッパーも)
気を付けるとこは特になし。
ジッパーと生地の接着は念入りにやったほうが吉。
ジッパー駆動部にアイロンをぶつける事故をしないように。
ちなみに僕のが不良品だったのか全てがそうなのかわからないけど、ジッパーから空気漏れがあった。
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どうやら完全気密ではないらしい。
空気をパンパン入れて一晩放置しても、ある程度張りは保ったままだったので、実用には問題ないと判断。

⑥センターシーム
カーブがきつく一番難しい行程になるけど、ここまで作ってこれたなら特に問題なくできるはず。
文での説明が難しいけど、ストリップの一番最後はしっかり止められないのであとからジッパーからアクセスして接着することになる。
ジッパーがない場合は接着材を使うけど、接着剤の接着力に疑問があるので私としては絶対にジッパーは搭載したほうがいいと思う。

【仕上げ】
石鹸水をかけて空気漏れチェック。
特にフロアとストリップがついている箇所は漏れが発生しやすい。
あと漏れてた時に接着材を使うわけだけど、接着材を塗った端は薄くしたほうがいい。
接着力がそんなに強くないので少しのきっかけがあれば簡単にペリっと剥がれてしまう。(TPU面に塗った場合)
そのきっかけを最小限にするために薄く塗ったほうがいい。
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この件に関しては課題が残る。
TPUと接着剤を熱圧着してしまえば完璧だけど、うまくやるには難しいのでとりあえず様子見することにした。

【おまけ】
DIY Packraftでは「収納サイズは大体二人用テントくらいになる」と書いてあったと思うので、実際に手持ちの一般的なテントと比較してみた。
左から、作ったパックラフト(V2キットSサイズ)・二人用テント・一人用テント
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大体同じくらい。(二人用と一人用テントの大きさがそんなに変わらないけど(笑))
ちゃんと畳めばもう少し小さくなるかも。

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